「・・・・・・?」


気分転換に町外れを1人散歩していたアイスバーグ。の目に映ったのは、
たった1人の小さな少女。

 


龍族

 


「ンマー、何やってんだ?」


散歩をしていたアイスバーグの目に映った少女。
彼女は石の上に腰掛け、海を眺めている。
声を掛けずにはいられなかった。


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・?・・・何やってんだ?」


返事が返ってこない。
もう一度聞き返す。
すると彼女は頭だけ振り向いて微笑んだ。
そしてまた前を向いて海を眺めて。

彼女の動作にアイスバーグは疑問を覚えた。


「ンマー・・・海を・・・見てるのか?」


まだ一度も話さない彼女に尋ねた。


「故郷を・・・見てるんです。」


彼女が初めて口を開いた。
凛としたよく通る声。
アイスバーグは一瞬思考を止めてしまう。
だがすぐに我に返った。


「・・・故郷?」


彼女の言葉の意味が解からずとりあえず質問をぶつけてみる。
ここから見えるものなんて水平線か雲か・・・それぐらいだというのに
どこに故郷があると言うのだろうか。
まさか空だとでも?
そんな事を考えながら答えを待つ。

しばらく沈黙が続く。
しかし彼女は質問に答えずに石からヒラリと飛び降りた。
そしてアイスバーグの前に立つと
礼儀正しくお辞儀をして。


です。」

「?・・・アイスバーグだ。」

「・・・アイスバーグさん。」

「・・・何だ?」


アイスバーグが彼女の突然の行動に驚いていると
彼女は自分の名前らしき言葉を口にした。
アイスバーグも自己紹介をする。
彼女はいきなり名前を呼んで。
またアイスバーグが驚く。


「アイスバーグさん。私を貴方の元に置いて下さい。」

「・・・・・・は?」


突然の言葉。
彼女は微笑んではいるが
“冗談”なんてひとかけらも無い“真剣”な表情をしている。
その様子にアイスバーグは決して冗談ではない事を悟る。


「・・・・・・ダメですか?」

「・・・いや・・・いいだろう。
 “置く”とまでは行かないだろうが・・・ンマー、来い。」


アイスバーグの決して明るくは無い表情を見て少し残念そうに彼女が問う。
だがアイスバーグは特に悩む事もなく決断する。
その一言で彼女は益々笑顔になり「はいっ!」と元気に返事をした。

彼女はよく見ると右眼が白色で左眼が黒色。両方とも銀色が混じってはいるが。
付け加えて銀色の髪の毛に白い肌。
それに彼女の不思議な言葉に興味が沸いたのかもしれない。
見るからに珍しい彼女には何だか色々とありそうな気がして。
最初はその姿に惹かれただけかも知れないのだが、
その選択は間違っていなかったと確信するのはそれ程先ではなかった。
というか、もうすぐ。

 

××を連れて社長室に向かうアイスバーグ。
ここへ来る間多くの人がアイスバーグに挨拶しているところを見ると
“普通の人”ではない事がすぐにわかる。
が不思議そうに辺りを見回すと
周りの人間も不思議そうにを見つめる。

社長室に着いた2人。


「アイスバーグさん。本日の予定は・・・」

「ンマー、全部キャンセルしとけ。」

「わかりました。」


帰ってきたアイスバーグに早速今日の仕事を話し出す
アイスバーグの美人秘書カリファ。
適当にアイスバーグが答えるとカリファが慣れた手つきで予定表に印を入れる。
そしてもう一度カリファが顔を上げると、
アイスバーグの後ろに居た少女に目がついた。


「アイスバーグさん。・・・彼女は?」

「ンマー、拾った。」


笑いながら言うアイスバーグに特に怒りもせずに
です。」と丁寧にお辞儀をする
「カリファよ。」と微笑み返すカリファ。
そしてもう一度アイスバーグに視線を向ける。


「・・・彼女・・・どうするつもりです?」


耳打ちで会話をする。


「ンマー、まだ考えているところだが・・・。
 俺の元へ来たいと言っている。」

「・・・そうですか。」


至って冷静な会話をする2人。
は初めて入った社長室を眺めていた。


「ンマー、今から色々話すつもりだ。
 ・・・カリファ、席を外してくれるか?」

「わかりました。」

「・・・・・・?」


話がまとまったのかカリファが席を外す。
はカリファが何故出て行ったのかわからなかったが特に考えなかった。

「ンマー、座れ」と差し出された椅子に腰掛けると
アイスバーグが机越しに反対側の椅子に座る。


「ンマー、何から聞けばいいのか・・・」

「・・・・・・・・・」


少し困ったようにアイスバーグが言う。
アイスバーグがそのような事をいう理由がわかる
黙ってアイスバーグを見つめた。
さっきまでのような微笑は無く。


「・・・お前・・・何であんな所に居た?」

「・・・さっきも言ったとおり、故郷を見ていました。」


沈黙を破って質問するアイスバーグにが冷静に答えた。


「・・・故郷?」

「ええ。」


町外れで会話した時と同じ質問。
だが聞かずにはいられなかった。


「・・・・・・海か?」

「いいえ。」

「・・・空?」

「まさか。・・・でも両方近いですね。」


馬鹿馬鹿しいと自分で思っていながら尋ねる。
海の中や空の上に住む人間が居るのか?
もとい、“住める人間”が居るのか?

馬鹿馬鹿しい質問に当たり前に否と答える
予想通りと言うか期待外れと言うか。
だがその後に言った言葉は意味深だった。


「・・・・・・近い?」

「ええ。」


つい聞きなおしてしまう。
そんな不思議な言葉滅多に聞かないからだ。


「常に・・・共に過ごしてきたようなものですから。」


明らかに普通ではないその発言。
だがアイスバーグはその言葉で何かを思い出した。


「・・・お前・・・・・・まさか・・・!?」

「・・・・・・?」


明らかに動揺しているアイスバーグ。
その姿に疑問符を浮かべる。


「・・・・・・“龍・・・族”・・・・・・か?」

「!!・・・よくご存知で。」


動揺しながら尋ねる。
案の定図星だったようで彼女も驚いた。

“龍族”。
個々に不思議な色を持ち、他の人間とは違う輝きを放つ。
色は様々であり、その色により性格や能力も変わるという。
そして彼等は守護神として主人を守る。
主人を守る事に命を懸ける種族で
その為には命を捨てるといわれている。

今目の前に居る彼女が龍族だと言うのなら本当に凄い事なのだ。
伝説として残る種族龍族の1人が今目の前に居るのだ。
珍しい眼と髪の色を見ると確かに可能性が無い訳ではないのだが
まさかこんな所で“伝説”に会えるとは思ってもみなかったのだ。
心底驚くアイスバーグ。
“龍族”とは言えど姿形は人間そのものなのだ。


「・・・ンマー・・・龍族が何でこんなところに?」

「・・・・・・色々ありまして。」


正体がわかったらまず聞きたくなる事である。
は一瞬暗い顔をしたがすぐに一転、アイスバーグに笑って答えた。
その瞬間をアイスバーグは見逃さなかった。
が、暗黙の了解。「そうか。」と言ってそれ以上追求はしなかった。


「・・・・・・だったか?」

「はい。」

「・・・龍族らしいが・・・・・・何色だ?」

「・・・・・・そんな事までご存知なのですか・・・」


一度名前を確認してから質問する。
他人が聞くと意味のわからない質問だが
はその言葉を聞いて表情を変えた。


「・・・“紅”です。」

「!・・・そうか。」


しばらく間を空けてが答えた。
“紅”。その言葉を聞いた途端にアイスバーグは笑顔になった。
他人にはやはり意味のわからない言葉。
だがアイスバーグには嬉しい返事だったようで
突然元気になったアイスバーグは「何か飲むか?」と言いながらカリファを呼んだ。


・・・行く所がないようだが・・・どうするんだ?俺の所で良いのか?」

「!!・・・良いんですか?」

「良くなかったらこんな事は言わないだろう。
 ンマー、お前の好きにしたら良い。」

「ありがとうございますっ!
 すぐに出て行くつもりですが・・・よろしくお願いします。」


アイスバーグの言葉には心からの感謝を笑顔で表した。
その笑顔に一瞬胸が高鳴ったような気のせいのような。


そんなこんなでアイスバーグの元で暮らす事になった
すぐに近くの家を見つけ引っ越したのだが
それまでの間はアイスバーグの世話になる事になった。
がアイスバーグに世話になったのは家だけではなく。
の才能を見い出したアイスバーグはを1番ドックで働かせる事にしたのだ。
は「感謝感激雨霰」などとどこで覚えたのかと言うような言葉を言っていたという。

アイスバーグがを1番ドックで働かすという考えを思いつかなかったら
1番ドックに今のような明るさはなかっただろう。何て言う者も多く。
色々とアイスバーグに感謝するのだった。

 

 

――――――――――あとがき***―――――


ぎゃああやってしまいましたがれえら夢・・・!! (そればっかだな
だって・・・だって好きなんだもん! (黙れ
はーい主人公の秘密ー・・・暴けました・・・か? (訊くな
中途半端ですね・・・すみません;;
この後1番ドックの話をし終わったアイスバーグは××に一言!
「ンマー、この事はうちの職長達にも言っておきたいのだが・・・良いか?」
これ言わなきゃ意味がない! (全然意味が解からない
あぁ・・・もう・・・何か疲れたぁー・・・ (は?
毎回毎回意味わかんないのばっかで本当申し訳ないです;;
精進したいです〜;; (希望!?

2006.4.18

ちょっとしたオマケですv

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