「ちわーっす郵便でーす」


突然一番ドックに入ってきた1人の男。
帽子を深めに被った彼は
周囲から注がれる痛い視線を全く知らん顔で受けていた。

 


来訪者

 


「あぁ?・・・何だアイツ。」


ズカズカと上がりこんで来る男。
それに気付いた職長パウリー。
男に向かって思いっ切り睨んでやったが男は気付いていない様子で。

あまりにも堂々としている男に向かって
視線は浴びせるものの誰も声をかけようとしない。
そんな時、男の道を遮る者が1人。


「すまんがここから先は関係者以外立ち入り禁止じゃ。」


職長カクだった。
その独特の喋り方で相手を遮ったのだが、


「あーそーなんすか。じゃ俺は関係者だから通って良いや。」


全く気にしないと言うようにカクの横を通り過ぎようとする。
だが見知らぬ男を素直に通らせる訳にはいかない。


「関係者じゃと?お前さんは誰じゃ?」

「あー俺はあれです。さっき言ったとおり。郵便屋さん。」

「郵便?誰にじゃ?アイスバーグさん宛ならワシが渡しておくが。」

「えー違います違います。アイス何とかさん宛じゃないんで。」

「なら誰宛じゃ?」


一応身分の確認を取る為質問を繰り返すカク。
見るからに警戒しているカクに対し
焦った様子の欠片も見せないその相手。

アイスバーグさんの名前も知らん郵便屋?
そんな奴が・・・この町におるかの?
数々の疑問を頭に浮かべながら相手を予測しようとするカク。

カクと男が質疑応答に時間を掛けている時、
1人の女性が声を上げた。


「・・・・・・あれっ?・・・さん!?」

「・・・あ?・・・あっ!!!」


その声の主は紛れも無くだった。
驚いたようにが声を上げると
男も驚いたようにの名を呼んだ。
そしてお互い駆け寄って行って。


「わぁー久しぶりですねさんっ!!」

「お久し!元気やった!?」


笑顔で話すとさっきまでとは違う雰囲気の男。
突然男の口調が訛る。
周囲は呆然と2人を見つめている。


「・・・あれー・・・俺らって人気者?」


ははっと男が笑いながら言う。
困ったような表情でが笑う。


、お前さんの知り合いか?」


2人を見ていたカクが尋ねた。


「あっ!・・・えっと、さんっていう私の・・・」

の彼氏です!」

「「「な゛っ!?」」」


説明しようとしたを無視して話し出す。
男のその言葉に一斉に驚きの声を上げる大工達。


「ちょ・・・さん!?」

「うわぁー凄いなぁー!目茶目茶モテてんねんなぁ〜!」


大工達の表情を眺めて笑う男。
大工達は驚きで声を出せないままだった。
やっと声を上げたのがパウリーだった。


「おいテメェ・・・」

「はい?」


切れ気味のパウリーの睨みに全く動じない男。
笑顔でパウリーに返事をした。
パウリーは更にイラついて。


「くだらねぇ事言ってんじゃねェぞ!!」

「えぇー何ですかアンタもが好きなんですかァー?」

「なっ・・・!!」


大声で叫ぶパウリーに向かって挑発するような口調で男が答えた。
単純なパウリーは図星をつかれ口をつぐんだ。
男はとても楽しそうに笑うばっかりで。
大声で言われたその言葉に気付かない程
が天然だった事がパウリーにとって何よりだった。


「あっ!えっと違うんです!この人は私のお付き合いしてる人ではなくて・・・」


その言葉に大工達の視線が釘付けになる。


「私の友・・・」

の守護龍でぇーすっ!」


なっ・・・!?その場に居た全員が叫びそうになる。
までもが叫びそうになっている事に疑問を感じたものも多かったが。


「守護龍だなんて・・・友達でしょう?」

「いーえっ!私は“様の守護龍”という場所から降りる気は一切御座いません!」


大工達そっちのけで話し続ける2人。
大工達は全く思考が追いつかず、まだ状況がよく飲み込めていない。


「えっと・・・よくわからんのじゃが・・・
 説明してくれないか?・・・その子も“龍族”なのか?」

「えぇ・・・一応私の“守護”として父上がつけて下さったのですが・・・」

「でもまぁ正味友達みたいなモンやけどねぇー」

「「「・・・・・・・・・」」」


どんな父親だよなんて思った大工は決して少なくなかった。
ていうか“守護龍”なのに主人に対してそんなに軽々しくていいのか!?
なんて思ったり思わなかったり。


「「「・・・・・・・・・」」」

「・・・・・・あぁっもう!うっとおしいわぁ!
 俺は“金龍”!これでええんかいな!?」


さっきまで笑っていたのに突然怒ったように叫ぶ男。
大工達の沈黙がイラついたのか
心底うっとおしそうな顔をしている。
そのうっとおしい状況を作ったのは誰だと言いたくなる。


「あぁーなんかお腹空いてきたっ!そろそろか〜えろっ!」

「え?郵便は?」

「あぁ?あんなん嘘やって!に会いに来ただけ。」


何でまたそんな微妙な嘘を選んだのかと聞きたくなったのだが
煩くなりそうなのでそこは敢えて言わないでおいた。


「んじゃっ!また今度会いに行くから〜〜!」

「あぁ・・・はーい。また今度〜」

「うん!ほんじゃねぇ〜」


突然空腹を訴えたかと思うと男はさっさと帰って行った。
が笑顔で挨拶を返すと
男は走って行ってすぐに姿を消した。

この短い時間の間にあまりにも色々な事があり過ぎて段々混乱してくる大工達。
だがそこは流石職長達。
さっきの出来事をいち早く理解していた。


「はぁー・・・何かアイツのせいで一気に疲れたような・・・」


パウリーが体を伸ばしながら言った。


「にしてもに男が居たとはな。」

『クルッポー!意外だッポー!』

「うおおぉぉ意外だなぁぁ!!」

「確かに。」

「・・・・・・え?」


その場を見ていた職長達が口々に言う。
だがそれにも関わらずはキョトンとした表情をしていた。


「私に・・・男の人・・・ですか?」

「?ああ。・・・?」


が何故首を傾げているのかがわからない職長達は自分達も首を傾げた。


「・・・・・・?」

「・・・・・・・・・へ?」


いまだに首を傾げている
同じく首を傾げている職長達。
大工達は皆と職長達の会話に聞き入っている。


「・・・え・・・男の人なんて・・・いませんよ?
 ・・・お付き合いしている人も・・・いませんし・・・」

「へ?・・・じゃあ今のって奴は?」


一語一語区切って話すに対しすかさず質問をする職長。
すると。返ってきたのは予想外の返事で。


「・・・・・・?・・・どうして私が女の人とお付き合いするのですか?」

「「「・・・・・・え゛?」」」


の言葉に驚きを隠せない。


「・・・・・・女?」

「?はい。」

「・・・アイツがか?」

「はい。」


さも信じられないという顔で何度も確認をする。
何故皆が驚いているのかわからないようでは首を傾げている。
大工側からしてはあまりに驚いて安心する間も無い程だった。


「・・・・・・じゃあ・・・」

「はい?」

「男は居ないんだな?」

「ええ。」


その場にいた大工達は誰一人としてその言葉を聞き逃さなかった。
一気に緊張していた空気がほぐれ安堵のため息をつく。
皆のよくわからない行動に益々首を傾げる


「あー・・・そっかぁー女かぁアイツ・・・」

「はい・・・って・・・何だと思ってたんですか?」

「「「の男。」」」

「ははっ・・・まさか。女の人にしか見えません。」


安心と同時に緊張疲れが襲う。
まだ昼だというのに本気で疲れが溜まる大工達。
ひとまずの男ではないことに安心の声を一番にあげたのはパウリー。
どう見たって女には見えない彼女の姿を
には女にしか見えないという。
どこが!?と問いただしたかったのだが疲れのあまりそれができなかった。


「明るくて・・・楽しい人です。さんは。」


ふふっと思い出すように笑いながら話す
その姿に見惚れていた者は数え切れなくて。
だが同時にへの嫉妬心が芽生える。
次に来た時には・・・と決意を固める者も多く。

 

一番ドックは今日も平和(?)です。

 

 

――――――――――あとがき***―――――


・・・・・・えへへへへー (何っ
あれですライバル登場みたいな。 (ぇ
かなり男っぽい女の友達を出したかった訳ですよええ。
にしても・・・何かキモイなぁーーー (は?
関西弁なのはコレ書いてる奴が関西人だからってだけです。
訛らしたいと思ったんだけど他に知らんCーみたいな感じです。 (えぇ
こんなんでいいのか管理人!いやよくない!! (何なんだ
精進・・・どうにかしてできませんかねぇ〜 (・・・

2006.4.25

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