「おはようございますっ!!」


朝も早いというのに笑顔で元気な挨拶をする彼女。
彼女がこの1番ドックに入社してから早3ヶ月。
随分と溶け込んだ彼女。
信頼と人気も大きくなり今では無くてはならない存在。

 


好きな人

 


「おはようございます、カクさん!」

「おはよう。 。」


いつもの笑顔で微笑む彼女にいつもの笑顔で返すカク。
毎朝必ず挨拶をする健気な彼女は朝からとても元気だった。
そして彼女は元気に走っていって。
他の職長に挨拶に行く。


「おはようございます!ルルさん。」

「ああ、おはよう。」


いつもの寝癖をつけたまま挨拶をするルル。


「おはようございまーすタイルストンさん!」

「うおぉ早いな っっ!!」


いつもの大声で挨拶をするタイルストン。


「おっと!あぶねェ遅れちまうところだった。」


他の職長より遅くに出勤したパウリー。
若干息が荒い所を見ると大方借金取りに追われていたのだろう。


「あっ、パウリーさん!」

「あ?」


不機嫌なのか振り向かずに適当な返事をした。


「おはようございます!」

「あぁ か・・・おはよう。」


声の主が だとわかると振り向いて挨拶を交わす。
最初は認めないと叫んでいたパウリーも彼女の才能を認めざるを得なくなり、
今では普通に会話を交わしている。

彼女の成長は素晴らしいもので、
一度言われた事はすぐに理解し実践してみせる。
その成長には誰もが驚くもので。
アイスバーグさんの判断はやはり正しいのだと改めて実感する。
今となってはとても信頼され大きな仕事まで任されるようになった。
技術だけでなく頭も良く優しくて気品があると別の意味でも人気になり、
1番ドックに無くてはならない存在となった。

パウリーに挨拶をした後 はキョロキョロと何かを探すような仕草をした。


「ん?どうした? ・・・」

「あっ!ハットリさん!」


パウリーが声を掛けたにもかかわらず大声を上げる
“無視”されたのと同時に“無視をした理由”がルッチにある事に腹を立てるパウリー。
その姿を見ていた職長達が「気の毒じゃな」「ああ」などと話していた事に気付いてはいないだろうが。
だが「気の毒」という言葉が指す人物はパウリーだけではなかった。


「おはようございます!ハットリさん!ルッチさん!」

『ポッポー・・・おはよう ・・・。』

「・・・・・・?」


笑顔で駆け寄り挨拶をする
「あいつに挨拶する時は何であんなにテンション高いんだよ」なんてパウリーがぼやいていたが誰も気に掛けない。
若干暗めに挨拶をするハットリ。
どうして暗いのか皆目検討もつかない
疑問符を浮かべ小首を傾げる。「体の調子でも悪いんですか?」と言いながら。


「・・・ハットリ優先にされちゃあなぁ・・・」

「・・・かといって今更ルッチがどうにかして何とかなるもんじゃないじゃろう・・・」

はハットリのファンだからな!!」

「・・・・・・ファン・・・と言うよりも動物愛好家じゃな は・・・」


少し遠い場所から眺めている職長達の励まし(?)の言葉の数々。
ルッチとしても今更どうにかしようなどと思わないらしく、既に諦めている。
その様子をパウリーはフンッと勝ち誇った顔で眺めていた。

はというものの笑顔でハットリを見つめている。(重要)
タイルストンは はハットリのファンだと言ったが
正確にはカクの言うとおり動物愛好家である。
同じ職場で働くものとして、そして職長として一番近くで を見ていたからよくわかる。
は動物を見る度にわぁーと言って感動している。
何がそんなに珍しいのか・・・そうも思うのだが
次に自分に向けられる笑顔を見るとそんな考えはすぐに忘れてしまうのだ。


「じゃあそろそろお仕事始めましょうか!」


誰に言うでもなく声を上げる
いつの間にか集まっていた大工達もその声を聞いて腰を起こす。
こんな様子を見ていると がとても溶け込んでいる様子がよくわかる。

 

そんな平和な1日の始まりを阻止するかのように1人の職長が爆弾発言。


「おぉぉ! ー!」

「?何ですかタイルストンさん?」

は好きな奴とか居ないのか!?」


タイルストンの大声を聞き逃す大工が居るはずも無く。
作業に取り掛かりかけた大工達の視線が一気に集中する。


「・・・へっ?」


いきなりの質問に驚く
質問の内容を理解するのに時間が掛かる。


「・・・・・・え・・・」


やっと質問を理解できた は一気に顔を赤く染める。
その様子を見ていた大工達はドキッとした。
まさか・・・まさか・・・そのまさかがあるんじゃ・・・
そんな大工達の小さな期待を知ってか知らずか。


「いや・・・居ませんよ好きな人なんて・・・」


顔を赤らめたまま が言う。
普通ならそんな顔して“居ない”なんて信じられるか、となるのだが、
彼女の場合は公認の“天然”。
「好きな人」という言葉に顔を赤らめただけという事が十分に考えられる。
大工達はため息をつき、少し残念な、だけど少し安心した気分になった。


「それに・・・私なんかが好きになったら相手の方にメイワクです・・・」


そんな事ァありませんよ!と言いたげな顔をして見つめる大工達。


「じゃあタイプとかは!?」


相変わらず煩いタイルストンだが普段気になっている事を本人に聞いてくれている今、
タイルストンの大声をありがたく思った船大工は一体何人居ただろうか。
また緊張する大工達。


「・・・えっと・・・明るくて優しい方・・・です・・・」


恥ずかしそうに答える
あちこちで喜びの声をあげたり意気込みをする大工達。


「あ・・・でも・・・」


また話し出す
一瞬にして静まり返る大工達。


「好きに・・・なっちゃったら・・・その人がタイプです・・・」


真っ赤な顔をして話す
その姿にどれほどの大工達が胸を打たれたのだろう。
見ていると何故かこっちまで照れてしまいそうな彼女の仕草。


「え・・・えっと・・・もういいですよね?・・・お仕事始めます・・・」


まだ顔を赤くしたまま は背中を向けた。
お気に入りの「Galley」のロゴ入り帽子を目深に被りながら。
だが顔を隠すのに帽子を使うのは彼女だけではないようで。


「・・・・・・・・・」

「ん?どうしたカク?」

「・・・・・・うるさいの・・・」

「・・・照れ・・・てるのか?」

「うおおどうしたカク!!お前 が好・・・」


うるさい!と本気でタイルストンに蹴りを入れるカク。
パウリーは何処かへ走って行って、
ルッチはただ無言で立っていた。
ハットリの頬が若干赤い気がしたのだが、暑い!と言って仕事に向かった。

 

1番ドック、冬の初め。

 

 

――――――――――あとがき***―――――


また書きましたガレーラ夢・・・!
ていうか職長達 乙 女 だ な ! (は
何か話がごっちゃになりましたね・・・;;
最初書こうと思っていたものから全く逸れてしまいました・・・;; (オイ
あれですね、主人公モテモテですからv (ぇ
つうかはっきり言って最後のカクが書きたかっただけです。 (待て
何か2つの話を無理やりくっつけたみたいで・・・読み難いですね・・・すみません・・・。
次こそは主人公の秘密を暴きます! (何

2006.4.9

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