「今日から此処で働く事になった だ!」


水の都・ウォーターセブンの市長でありこのガレーラカンパニーの社長である
アイスバーグのその一言と彼女の登場により1番ドック内は大騒ぎとなった。

 


新しい場所、新しい朝

 


には全職のサポートとしてあたってもらう。
 ンマー、主に大工職で働いてもらう。」


船大工達が騒ぐ理由、
それは我らが社長アイスバーグの脇に立っていたのが1人の小さな少女だったからだ。
銀色の長い真っ直ぐな髪で肌は白く、
右眼が薄っすらと銀色の混じった白い眼、
左眼は銀色の混じった黒い眼。
モノクロの世界をイメージさせる彼女の姿は何処か惹きつけられる。


「初めまして皆さん。
 今日から此処で働かせて頂きます です。
 よろしくお願いします。」


凛としたよく通る声で話し出したのはこの騒ぎの主、 、本人だった。
一瞬にして静まり返る船大工達。


「ンマー、そういう訳だ。よろしくやってくれ。」

「ちょっと待って下さいアイスバーグさん!」


船大工達が静まり返る中、
葉巻を咥えながら大声を上げて抗議する者が1人。


「ンマー、何だパウリー?」

「何だって・・・本気じゃないでしょうねこんな奴を此処で働かせるなんて!?」

「ンマー、そのつもりだが?」

「なっ・・・!?」


葉巻を咥えて叫んでいる男の名はパウリー。
この1番ドックで働く船大工であり、“艤装・マスト職”職長である。

彼はよほど新入りが気に入らないらしく抗議し続けている。


「どうして・・・こいつは女でしょう!?
 此処は女が来るような所じゃない!男の職場です!!」


気に入らない理由は、“女”。ただそれだけで。
それだけでこれだけ怒るとは・・・
アイスバーグを含む多くの船大工達はため息をついた。

だが当の本人はと言うと焦るでもなく悲しむでもなく
のほほんと1番ドック内を眺めている。
それも気に入らない理由の1つなのかも知れないが。


「こんな細くて弱そうな・・・しかも女だなんて!」

「ンマー、そういうな。
 確かに男に比べれば力は劣るが、その分こいつには技量とセンスがある。
 それだけなら此処にいる奴らを上回るかも知れん。」

「そんなっ・・・」

「ンマー、俺の決めた事がそんなに気に入らないか?」

「そういう訳じゃっ・・・ありませんけど・・・」

「じゃーいいだろう。では皆持ち場に戻ってくれ。」


口でパウリーがアイスバーグに勝てるハズが無く。
パウリーは気に入らないという顔をしながら背中を向けた。


「あのっ・・・パウリー・・・さん?」


さすがに状況を察したのか、
背中を向けたパウリーに不安げに声を掛けたのは だった。
パウリーは振り向かずに立ち止まる。


「えっと・・・よろしくお願いします。」

「・・・お前なんか認めねェ」


パウリーは背中を向けたまま呟いてズンズンと歩いていった。
集まっていた船大工達も持ち場に戻り
残ったのはアイスバーグとアイスバーグの美人秘書カリファ、
新入り1人と5人居るはずの職長4人だった。


「・・・・・・えっと・・・」


自分のせいで彼が怒っている事にやっと気付いた は少し焦っていた。
周りの人間には“天然”にしか映らない彼女の姿。
最初はわざとかと思ったがそうでもないらしいことに大工達は驚いた。


「ンマー、気にするな。」

「え・・・でも・・・」

『クルッポー! あんなバカは放っておけばいい』

「・・・!!」


放っておけないと言うような彼女に肩にハトを乗せた男が話す。
否、男の肩に乗ったハトが話す。
いくら天然な彼女でも“喋るハト”には驚いたらしく、
眼を大きく見開いて“喋るハト”を見つめた。


『どうした?ポッポー』

「・・・!!わぁ・・・凄い・・・ハトさんが喋ってる・・・!」


「ハトさん」に純粋に感動した彼女の一言は周りの人間には驚きを与えた。
同時に笑いも。


「ぷっ・・・ワハハ・・・」

「・・・・・・え?」


最初に笑い出したのは帽子を目深にかぶった鼻の長い男、カクだった。
そして他の大工達も同時に笑い出した。
“天然”の彼女には理解できない状況らしく小首を傾げている。


「・・・ぇ・・・え?」

「ははっ・・・すまん、挨拶が遅れたな。
 ワシは“大工職”職長カクじゃ。よろしく頼む。」

(「じゃ」・・・??)


焦っている彼女に思い出したように自己紹介をするカク。
皆が笑っている理由は告げないまま。


「“ピッチ・鍛冶・滑車職”職長ルルだ。よろしく。」

(・・・・・・寝癖・・・?)


続いて自己紹介をしたのがルル。
どう寝たらそんな風になるのか解からないような寝癖がついていた。


「俺は“さしもの・コーカー・縫帆職”職長タイルストンだ!!うおおぉぉよろしくなあ!!!」

(・・・!・・・背高いなぁ・・・)


次に自己紹介し出したのがタイルストンである。
大声を上げて叫ぶのは癖らしく慣れた手つきで「うるさい」と殴られている。
(彼女の反応はどこか間違っている気がするが・・・)

そして


『クルッポー! “木挽き・木釘職”職長のルッチだ。
 そして俺はハトのハットリ!よろしくな!ポッポー』

(ハトさん・・・!!)


憧れの(?)ルッチ。というかハットリ。
今にも泣き出しそうな顔でハットリを見つめている。
彼女のハットリに対しての反応見ていた者達は
ハトが喋るだけでこれ程までに感動する者は彼女の他に居ないだろうと確信を持った。


「はいっよろしくお願いしますっ!」
(特にハトさん・・・!)

「「「『ああ。よろしく』」」」


もう一度大工達と挨拶を交わすと、
笑顔で見守っていた社長アイスバーグが口を開く。


「ンマー、 、頑張れよ。」

「はいっ!」


アイスバーグが微笑むと は心からの笑顔で返事をした。
その笑顔にそこにいる誰もが一瞬思考を止めてしまった。一瞬だったが。


「じゃあ 、まずこっちで服を着替えて・・・」

「あっ・・・カリファさん・・・その、さっきの人は・・・」


カリファが眼鏡を整えながら誘導しようとした時、
が言葉を絶った。
さっきの葉巻男パウリーをまだ気にしているようだ。


「ああ、さっきのはパウリー。あれでも一応“艤装・マスト職”の職長をやってる。」

『ついでに借金まみれだっポー』


カリファの代わりに説明をしたアイスバーグに続いて
ルッチ・・・もとい、ハットリが豆知識を付け足す。

ハットリが喋る度に感動している
何故かそんな彼女はどこか微笑ましくて。
いつの間にか大工達は笑っている。


「じゃあ・・・ 、こっちに。」

「あっ・・・はい。」


カリファについて、てててっと歩く姿は見ている者に“雛”を思わせる。
いつの間にか微笑んでいる大工達は
「これから無事にやっていけるのかな」などという保護者的な気持ちを胸に抱いた。


「じゃあ仕事に戻るか。」

「ンマー、ちょっと待てお前ら。」

「「「『??』」」」

「ちょっと話がある。なに、すぐ終わるさ。」


持ち場に戻ろうとした大工達を引き止め社長室へと向かう。


の事なんだが・・・」

 

そんなこんなで1番ドックに勤める事になった
彼女が来てから1番ドックに“天然”という名の新鮮さが戻ったのは言うまでも無く。

 

 

――――――――――あとがき***―――――


やっちゃいました初夢小説・・・!
いや書いてて楽しかったのは本当ですけども・・・!!
しかもさり気なく大工職に導いてます。 (←個人的にカク好きなせいで
こういうほのぼの系が好きかもなんですねぇー私。 (聞いてない
夢主のハットリに対しての所を書いてるときがとても楽しかったですvv (だから聞いてない
にしてもヘボイ・・・文才の無さがよく解かりますね・・・
でも最初だから!最初だから! と言って自分を励まします! (はい?
・・・続くのかな・・・

2006.4.8

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